おじ語り

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嫌われ者のバレンタイン/恋人の日に義理チョコ禁止

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いつの間にかバレンタインデーが嫌われていた

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バレンタインデーって楽しいイメージがありました。

学生時代、男子たちはどうせ貰えないチョコレートに儚い期待を抱き、ソワソワする。この様子なんて実に面白いじゃないですか。もちろん僕もご多分に洩れませんでしたが。

それが社会人になったらどうですか。なにやら世間ではバレンタインデーは嫌われ者らしいですよ。

僕なんかはチョコレート効果95%のカカオ率くらい男性比率が高い会社で働いているので、会社生活の中でバレンタインデーを意識したことは全くありませんでした。むしろ街にチョコレートが増えて嬉しいぜって思っていた。

でも、広く社会人男女を困らせているのが職場の義理チョコ問題だそうですよ。

女性は社内の同調圧力により、嫌いな上司や好きでもない同僚に対しチョコレートを贈るためにしたくもない準備に追われるという屈辱を強いられる。

男性は特に欲しくもないチョコレートを押し付けられた挙句、その翌月のお返しは義務。もしもセンスがない、著しくランクの低いお返しをチョイスしてしまえば社内でセンス無しのダメ男認定を受けてしまう。そんな恐怖で1ヶ月間身も心も削られてしまいます。

うん、なるほど確かに。こりゃ誰も得してないな。バレンタインが数々の時代を経た結果、複雑化したモンスターイベントになっている。一度基本を振り返りましょうや。

バレンタイン司祭のお話

この問題を解決するには、そもそもバレンタインデーってなんだっけってところに立ち戻った方がいいですよ。そこで今回バレンタインさんが何者なのか調べてきました。時はローマ帝国時代の話です。

ひどい皇帝もいたもので、自国の兵士に対し「愛する者がいれば戦いの中で士気が下がる!」という理由のもと結婚を禁止しました。まぁ一理あります。「国に妻と子供がいるんだ」は命乞いの定番文句ですからね。

そこでかっこよく登場するのが本日の主役であるバレンタイン司祭。非道な皇帝に背き、お前ら俺がまとめて結婚式やってやんよ!と内緒で兵士たちのために結婚式を挙げていたとのことです。

皇帝は当然怒り、おい!結婚式やめろや!って言うんですけど、そこはバレンタインさん、誇り高き司祭です。引き続き闇結婚式をバンバン執り行っていたら、ついには処刑されてしまいましたとさ。

それが2月14日。バレンタインデーです。

みたいな話。ざっくり言うと。

だからバレンタインデーは恋人たちの日だなんて言われるんですね。凄く納得しました。いや、ちょっと待て。じゃあ義理チョコってなんやねんと。

恋人の日に義理立てすんな

もうこれではっきりしました。バレンタインデーの基本に立ち戻った時、2月14日は紛うことなき恋人たちの日ですよ。じゃあ義理チョコってなんやねん。

「あの…今日は恋人の日なんで…これ義理チョコです!」

いや、頭おかしいじゃないですか。前後の文脈がずれすぎて地震が起きそうです。

なんで恋人たちの日に職場で義理立てしようとするんだよ。下手な便乗するんじゃないよ。仮に秘めた思いがあるならセーフですよ。ほんとに義理ならアウト。腹黒な社内政治活動ならスーパーどアウトです。違う日にやれ。

どうしても義理チョコをやりたい!って人は、ちょうど良さげな偉人を引っ張ってきて、日頃の恩を返したい義理人情の日を新しく制定すればいいんですよ。

恋人たちの日と義理の文化と社内政治とが全部ごっちゃになってるからわけわからなくなって嫌われるんです。

お返しの文化の適用を広げんな

バレンタインデーが嫌われる理由のもう1つはホワイトデーのお返しの強制感。これはもうバレンタインの問題でもあり、プレゼント文化のそのものの問題でもあります。

結婚した!ご祝儀!引き出物!

出産した!お祝い!内祝い!

色んなシーンでプレゼントにはお返ししないといけないのが暗黙の了解。

良い、悪い両面ある文化です。気を遣わないといけないけど、気の遣い合いをすることこそコミュニケーションの真髄だと思う人もいるでしょう。なので、この文化自体は否定しません。でもバレンタインデー。しかも義理チョコにこれを適用するのはいかがなものでしょうか。

なんでこんなオッサンにチョコやらんといかんのって思っている人と、なんで気持ちのこもっていないチョコに対して面倒くさい返礼しないといかんのって思っている人の謎の贈り合い。

物品と一緒に交換されているのは負の感情ですよ。Win-Winの逆。お互い負け、嫌々VS嫌々。こんな悲しき文化をもう野放しにしてはいけません。

プレゼント交換は本当に仲良し同士でやるからこそ楽しいイベントになり得るのです。双方が相手に喜んでほしいと思って贈らなければマイナス効果ですよ。あーめんどくせーって鼻をほじっている場合ではありません。なんのメリットもない。もうやめましょう。

バレンタインをもう一度好きになるため悪の皇帝を

子供の頃はみんな楽しめていたであろうバレンタインデー。大人になったら苦痛を感じる日になりましたなんて切ないじゃないですか。

これも全部義理チョコ制度のせいですよ。

バレンタインデーは恋人たちの日ということを胸に刻み、義理チョコは義理人情の日、友チョコは友情の日、自分へのチョコは食べたい時。そうやって贈られたチョコレートの意味を再び明確化すればバレンタインデー嫌いの人が一気に減るはずです。副次的な効果できっとチョコレートが更に売れ、世に美味しいチョコレートが溢れます。

もう一度純粋に楽しいバレンタインデーを取り戻すために、2月14日に本命チョコ以外を贈る文化は全て法律で禁止にしましょう。日本には今こそ悪逆非道の皇帝が必要だ。

おじーでした。