おじ語り

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なりふり構わぬジャンケン必勝法

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ジャンケン必勝法?あるよ!

今日初めて見たブログで面白いお題が紹介されていました。ハム王 (id:hamu-oh)さんという方が出題者。

お題「じゃんけんで最初に出すのは?自分なりの必勝法や絶対〇〇しか出さない友人などのエピソードを教えてください。」

着眼点が面白いですよね。ジャンケンに必勝法も何もないでしょ。運じゃんって普通は思うじゃないですか。いや、でもちょっと待てよ。僕の古い記憶がふと甦りました。

そうだ、編み出したじゃないか。2度と使うまいと封印したジャンケン必勝法があるぞ。

今日はそんなジャンケン必勝法にまつわる思い出話でもしましょうか。

未来の体育教師たちとドッジボール対決

僕は学生時代に野球サークルの長をやっていたんですよ。パイレーツって言うんですけどね。

サークル長と言っても大学のサークル活動なんて緩いもんですから、たまにあるイベントごとの事務手続きをしたり、飲み会でちらっと挨拶したりとそんなもん。

むしろサークルのメンバー構成が野球経験者多数みたいな感じだったので、外野フライすらろくに捕れない僕が無責任なまま辞めるのを先輩方が阻止するために任命したんじゃないかとすら思っている。まぁとにかく名ばかりサークル長だったわけです。

ある年、そんな我らパイレーツが大学行事に参加しました。学校ぐるみの球技大会が年に一度行われるのです。学科、部活、サークル等の任意団体、各団体が一堂に会してNo.1を決める熱き戦いですよ。

参加した競技はドッジボール。

主な活動は麻雀を打つこと、焼鳥丼を食うことだったパイレーツですが、腐っても野球チーム。投げる能力がものを言うドッジボールではなかなかの強さを見せ、トーナメントを順調に勝ち上がっていきます。

ついに迎えた準々決勝。対戦チームは教育学部体育科の男たち。日々ドッジボールで1日の半分は過ごしていそうな僧帽筋をしているゴリマッチョどもです。ゴリラだけにゴリゴリの優勝候補。そしてウホウホの余裕。誰もがこの未来の体育教師たちの勝利を予想したことでしょう。

ただね、逆境こそ燃えるぜ。そんな気持ちだったかどうかは覚えていませんが、僕らは驚異の集中力を見せ、避けて投げてどうにか同点でタイムアップまで持ち込んだのです。

ようやく本題。同点の場合、決着はなんとジャンケンになるのです。そしてここでサークル長である僕の出番ですよ。野球では戦力外でもジャンケンなら任せろ!

心理学専攻として既に完全に勝ちを確信しているわけです。授業も真面目に受けてない不良学生のくせに。「ここからは…私の領域ですね」とか心の中で呟いてるの。言ってないけど。心の中でメガネをクイって上げてね。メガネかけてないけど。

ジャンケン必勝法で見事勝利

まずジャンケンで勝つには場の空気を盛り上げることが必須。相手の気持ちを昂ぶらせることが超重要。本当は挑発の1つや2つでも出来ればいいんでしょうけど、性格的に出来ないので僕は叫びます。

ポーズは悟空が気を溜めるが如く。「勝ーつ!!俺は!絶対に勝ーつ!」みたいに大げさに振る舞うんですよ。それこそ負けたら死が待っているくらいのテンションで。相手を気負わせるために。客観的に見るとヤバい奴なのですがこれも勝利のためなので仕方ありません。

力ませたいんですよ。人って力むと拳握りがちじゃないですか。そうです、つまり僕は敵にグーを出させたいわけです。

そしてこのまま勝負の主導権を握ります。突如「うおー!最初はグッ!ジャンケンポッ!」を繰り出すわけ。極めてスピーディーかつ大声で。もちろん相手の目をまっすぐに見つめながら。

人間咄嗟な判断で複雑なことって出来ないじゃないですか。そうです、僕は敵のチョキを封じたいのです。グー・パーに比べてチョキは形が複雑ですから、咄嗟に出せるのは無意識下でもチョキを作れるジャンケン科の人間くらいです。

相手を力ませ拳を握らせる。そして突如勝負を開始し、複雑な行動を封じる。もうお分かりでしょう。

僕が初手に出すのはパー。ここまでやれば負ける可能性は極めて低い。

敵のゴレイヌはまんまと我が謀略にかかり、グーを出してきました。零細野球サークルがフィジカルエリートたちをドッジボールで破った歴史的勝利の瞬間です。

余韻で僕はまだ叫びます。「シャオラー!チョレーイ!サー!!」これが良くなかった。

呪われた力だった

ということでジャンケン必勝法によりまた1つ駒を進めた我らパイレーツでしたが、次の試合で負けました。そりゃもうひどい形で。

次の試合も相手は教育学部だったんですけどね、体育科の連中に恨みを買ったのか、さっきやっつけたばかりの男たちが相手チームの助っ人として何人も参加しているじゃないですか。

教育学部は学科をまたぐ横のつながりも強いらしく、そういった小細工も可能だったようです。予期せぬ再戦。ドッジボール専門家たち相手に奇跡を2度起こすことは出来ずあえなく準決勝で敗退。

しかし、アイツら最低だぜ。負けたくせにゾンビみたいに復活しやがってよ。あれで就職したら生徒指導だとか言って偉そうにすんだろ。一体どの口で子供たちに道徳を説くんだろうなぁ!?卑怯なくせによぉ!とひとしきり思ったところで僕はふと気付きます。

もしかしてこのジャンケン必勝法は呪われた力なのではないだろうかと。

自ら姑息に堕ち、相手の道徳を失わせ、最終的には虚しい勝利と後味の悪さしか残らない。きっとそんな呪いの力に違いない。そう思ってこれ以来封印しています。

嘘です。そんな全力でジャンケンする場面がないから使っていません。若いって素晴らしいね。

なので僕が勝手に必勝法だと思い込んでいるだけで、まだ統計は取れていませんが、理論としてはそんなに間違っていないのではないかと思っています。

是非ともこの投稿を読んだ方にはこの力の習得と継承をお願いしたいと思います。

おじーでした。