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『にっちもさっちもいかない』のニッチとサッチって誰?

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にっちもさっちもいかない

物事がどうにも上手いこといかなくて困ると『にっちもさっちもいかない』っていうじゃないですか。

普通によく聞く言葉だとは思うんですけど、じゃあ『にっちとさっち』ってなんだ?

ふとそんなことを思ったわけです。

ニッチと言えば隙間産業なんかの意味でよく耳にする言葉だしな。

サッチ、サッチ。

サッチーと言えばノムさんの奥さんか。

『ミッチーもサッチーもいかない』だったらなんだか一気にマスコミ受けするキャッチーなフレーズになると思うんだけどな。

そうだ!にっちもさっちもいかないという言葉は『ニッチさん』と『サッチさん』が語源になっているんじゃなかろうか。

そしたらその裏にはこんなストーリーがあったに違いない。

ニッチもサッチも行かない 作:おじー

昔々あるところに、ニッチとサッチという2人の若者がいました。

2人はたいそう腕っぷしの強い男だったので、コマッタ村の用心棒として村人たちに頼られていたそうです。

コマッタ村では、村内の山で金が採掘出来ることが最近判明しました。

なので隣のヤザック村から資源を狙った武力行使を受けることも多く、ニッチとサッチ無しでは生活が成り立たない状態が続いていました。

金山が攻められた時は鐘を鳴らすと、ニッチとサッチが駆け付け、厄介ごとを片付けます。

二人の活躍で鐘の音がすぐに止むのがコマッタ村の恒例となっています。

 

村民たちはみんなニッチとサッチに服や食べ物を贈り、いつも感謝の意を伝えていました。

ニッチは自分の才能を活かした用心棒という仕事を天職だと思い、サッチもまた村人から貰える食事をお腹いっぱいに食べて昼寝をするのがなにより幸せと、充実した暮らしを送っていました。

コマッタ村では有事の際にはまさに「ニッチとサッチがいく」という安心感の下で暮らしていたのです。

 

そんな暮らしが続いたある日、ついにヤザック村の村長は村の守りの要がニッチとサッチであることに気づきます。

「おい、インテリ!なんとかあのにっくきニッチとサッチを金山の防衛からどうにか外せないか」

ヤザック村長は聞きました。

「わたくしめにお任せを」

どうやらインテリヤクザには秘策があるようです。

 

-ニッチ邸-

ニッチがいつも通り戦いに備えて表で体を鍛えていたところ、後ろから声をかけられます。

「ニッチさん!」

インテリがニッチの家にやってきました。

「私はインテリ、高名なニッチさんの武勇を聞きつけて参りました。あなたはこんな小さな村の用心棒で終わる器ではありません。私ともっともっと大きな仕事をしませんか。」

インテリがニッチに持ってきたのは、仕事の話です。

インテリは、ニッチさんはみんなを守っているようで、使われているだけだ。

あなたのような素晴らしい方には、もっと大きなこと、人に使われるのではなく、人を動かすことこそがお似合いだ。

例えば隣の村の村長なんてどうでしょう。

そう言うのです。

ニッチはインテリの言葉にすっかりその気になります。

村長か、腕っぷしの強い俺は良いリーダーになるに決まっている。

「明日の夕方に使いの者を向かわせます。何があっても家から出ないでください。大丈夫ですよ、たとえ金山の鐘が鳴ってもすぐにサッチさんが解決してくれます。もし家にいなかったらこの話は無かったことに…」

そう言って、インテリはそう言って去っていきました。

 

-サッチ邸-

サッチが気持ちよく食後の昼寝をしていると扉が叩かれました。

「サッチさん!」

インテリがサッチの家にやってきました。

「私はインテリ、サッチさんは大変な美食家だと聞きつけ参りました。あなたはこんな小さな村の食べ物で満足ですか。隣の村のもっと美味しいものがお金で買えますよ。」

インテリがサッチに持ってきたのはお金の話でした。

隣の村ではお金で美味しいものがたくさん買えます。

あなたが望めば凄腕の調理人が望み通りの料理を振る舞ってくれますよ。

長年村を守ってきたあなたならすぐに大金持ちになれます。

そう言うのです。

サッチはインテリの言葉にすっかりその気になります。

隣町では美味しいものが食べ放題なのか。それはいいな。

「明日の夕方にサッチさんの家で試食会をしましょう。何があっても家から出ないでくださいね。大丈夫ですよ、たとえ金山の鐘が鳴ってもすぐにニッチさんがすぐに解決してくれます。もし家にいなかったらこの話は無かったことに…」

そう言って、インテリはそう言って去っていきました。

 

翌日の夕方。

金山からけたたましい鐘の音が鳴り響き、しばらくしてその音が止みました。

鐘の音が止んだのを聞き、安堵するニッチとサッチ。

そして、その日から金山はヤザック村のものになりました。

 

それ以降、コマッタ村の生き残りたちは物事がどうにも上手くいかない時、『ニッチもサッチも行かない』そう嘆くようになったそうです。

おしまい。

 

どうですか。

これが『にっちもさっちもいかない』の語源です。(大嘘)

ちなみに家で待ちぼうけしていた2人のところには何も来なかったという裏設定にしておきましょう。

本当の語源はそろばん

デタラメだけの投稿もなんですから、一応にっちもさっちもが何なのか調べました。

そろばん用語が元になっているそうです。

「二進も三進も」と書くそうで。

まぁつまりどうやっても計算が上手くいかんな!みたいな感じだったんだと思います。

僕は数学がからっきしだったので、昔から二進も三進もいってなかったですけど。

文章を書くのにニッチもサッチも行かなくなったらいよいよニッチもサッチもいかないことでしょう。

もうにっちもさっちもいかないのゲシュタルト崩壊ですね。

おじーでした。