聖地巡礼
アニメやドラマの舞台・モデルになった場所へ旅行するって話をよく聞くじゃないですか。いわゆる聖地巡礼って言われるやつ。
けっこうな経済効果もあるらしく、いやこれ明らかにオタクを呼び込もうとしているなと、大人な狙いが透けて見えることすらあります。
僕はわりと理解できない派だったんですよ。いや、別に行ってどうすんのよって。
でもこの度ちょっと理解出来ました。アニメ『ヤマノススメ』を観てみたのです。ご近所さんと言ってもいい飯能市が舞台だと聞いて。
そしたらなるほど、聖地巡礼したくなる気持ちが少しわかりました。
ヤマノススメの主役は飯能市だ
舞台が住んでいるところに近いからという理由で『ヤマノススメ』を観てみましたよ。
感想としてはそんなに好みではないなという感じ。主人公がやたら後ろ向きで共感出来ないし。OP・EDは毎回かなりよろしい。さすがTom-H@ckは凄いぜ。
しかし、お話自体にはあまり引き込まれなかったんですけど、楽しく視聴できていないかと言われると実に楽しいんですよね。
なんでかというと知っている場所がめちゃめちゃ出てくる。
これでもかってくらいリアルに飯能市の風景を作品内に取り入れているし、「所沢」や「西武池袋線」みたいな自分にとって超お馴染みのフレーズがボンボコ出てくるんですよ。
既に行ったことのある天覧山やあけぼの子どもの森公園なんかも出てきました。
これはやっぱりテンションが上がるんですよね。
気付いたら作中に出ている場所に行ってみようかなって気持ちになっていました!へー、飯能ってこんな素敵な所もあるんだ。ちょっと見てみたいなぁって。
はい、完全にやられました。それもう聖地巡礼じゃないですか。もはやこのアニメは観光ガイドブックの一番リッチなやつなんじゃないだろうか。
現実とフィクションの境界が曖昧に
本来アニメって割り切って観るじゃないですか。フィクションだって、作り物だって。だからこそ素晴らしいって。
でもその作り物の中に矢継ぎ早に現実の要素をリアルに挟み込まれると、そこの境界がなんだか曖昧に思えてきます。
この場所に行けば本当にそのキャラがいるんじゃなかろうか!とまではいきませんが、キャラが抱いた感想と自分が抱く感想を一方的にすり合わせていくくらいは出来るでしょう。
なるほど、聖地巡礼は精神的にその登場人物に近づくことが出来る手段なのかもしれない。
昔よく「僕の嫁は画面から出てきません」とか面白いことを言う人たちがいましたが、聖地巡礼するオタクたちは、それよりもう一歩先を行っているのかもしれません。待つのではなく、打って出ているのです。
推しのキャラと同じものを見て、同じ空気を吸おうとしているんだな。よく分かった。それは純愛だ。
いつか会えるといいですね。とりあえず俺も気合を新たに天覧山登ってこようかしら。ヤマノススメの登場人物たちに想いを馳せることになるかもしれない。うーん、近場で良かった。
おじーでした。