おじ語り

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私のサドルの上でうんちしないで下さい

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自転車通勤の思わぬ落とし穴

僕は勤めている会社のわりかし近所に住んでいるので、自転車通勤です。

万が一の事故に備えて、自転車保険にも入り、交通ルールも守って、季節の移り変わりを風を切りながら感じ、快適な自転車ライフを過ごしていました。

しかし、今日自転車通勤にはそんな落とし穴もあるのか、そう思わせるような事件が勃発したのです。

サドルに鳥のフン

サドルに鳥のフン。

いやー、参りましたね。

会社にはそこそこの数の自転車が駐輪されているんですよ。

なんで俺のサドルを選んだんだ、フンの量からするとわりと小型の鳥かと想像できます。

チュンチュン鳴きながらプリプリしたのでしょうか。

私のサドルの上でうんちしないで下さい。

わかっているんです。

鳥には肛門括約筋が無いから漏らすという概念すらないことは。

仕方ないから責めませんよ。

でも「朝は鳥になって、あなたを目覚めさせる。」とかそんなことを言う人もいますが、その代償は肛門括約筋の消失ですよ。

目覚めさせている一方で垂れ流してしまうかもしれないリスクはちゃんと考えているのだろうか。

いや、待てよ。

時に人は襲いくる便意にものすごく辛い思いをさせられることもあります。

青い顔して脂汗をダラダラにしてまで、人としての尊厳を守るわけですが、肛門括約筋がない鳥と比べたらどっちが幸せなのか。

さっきも言いましたが、鳥の世界にはうんちを漏らすという概念はないんです。

誰もが当たり前に下りてきたものを出すだけ。

美しい声で鳴いているウグイスだって、鳴きながら出しているかもしれない。

やはり鳥になるのも悪くないかもな。

というか、そんなことはどうでもいいんです。

この自転車で僕は帰らねばならんのです。

終始立ち漕ぎで帰る

サドルを綺麗に掃除してから乗って帰るという手段もありました。

でも、手持ちの装備で綺麗にする自信がない。

水拭きだけじゃちょっとウェッティになって逆に手に負えなくなる可能性すらある。

とりあえず、自転車を引いて歩いて帰ろうか。

歩き始めた僕は面倒くさくなってすぐに考えを変えます。

立ち漕ぎでサドルに座らなければ実質ノーダメージじゃないか。

本当はいい歳して立ち漕ぎなんてしたくないんです。

大人は自転車は悠然と落ち着いて乗るべきです。

立ち漕ぎが許されるのは競輪選手と小学生くらいなんですから。

しかし背に腹は代えられません。

腹も減ってるし、早く帰りたいんです。

そして僕は立ち漕ぎを始めました。しかしこれがけっこう難しいんですよ。

立ち漕ぎってまずは普通に漕ぎ始めてからスピードが乗ってきたら態勢を上げるというのがセオリーかと思います。

今日は助走なしで立ち漕ぎスタートです。バランスをとりづらい。

そして一度進み始めたら、決して後ろ体重になってはいけません。

凄いプレッシャーです。

サドルについているのはただの汚れではありません。

うんちです。背水の陣よりよほど決死でしょう。

頭や肩についたならまだ笑い話にもなるかもしれません。運がついたねなんてよく聞きますしね。

でも、お尻についたならどうでしょう。場所が場所ですからね。

なにも悪いことしていないのに近所の人から指を差して笑われ、きっと心を痛めて僕は引っ越しに追い込まれることでしょう。

とにかく前のめりに漕がなくてはいけません。坂本龍馬のように。

そして止まる時も最新の注意を払います。

スピードは緩めても気持ちは緩めません。前傾姿勢を維持しつつスピードを緩め、止まりそうになったら真横に倒れるようにして着地します。

そんな苦労をしつつ、家に到着しました。

私のサドルの上でうんちしないで下さい

無事にお尻を汚さず、家に帰ることが出来ました。

今日はおろしたて、初めて履くユニクロの感動パンツで仕事行ったんですから。

もし汚したら俺の感動を返せですよ。

家に帰ったらアルコールがありますので、除菌作業を行って明日の仕事に向けて綺麗にしておきました。

とは言え、また同じことが起きるかもしれない。

だから僕は鳥に向かってお願いするしかないんです。

私のサドルの上でうんちしないで下さい。

願い。

鳥さん、もしこのブログ見たら、明日から隣の自転車に乗って下さい。

おじーでした。