おじ語り

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桃太郎って鬼ヶ島まで行く必要があったのか?あるわ。

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大人になると感じる桃太郎の思いつきで鬼を征伐した感

桃から生まれた桃太郎。

犬・猿・雉をきびだんごで従えて、鬼たちが巣食う鬼ヶ島へと旅をし、鬼たちを退治!お宝をゲットし、幸せに暮らしましたとさ。

めでたし、めでたし。

桃太郎は日本の昔話の中でも名作中の名作ですね。

明るく単純明快なところが良いです。

でも大人になってひねくれてしまった後に考えてみると、あれ?というところが2点浮かんできます。

なんで桃太郎って鬼退治に行ったんだ?

まずこれですよね。皆さんも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

なんで鬼ヶ島を目的地とした鬼退治に出発したんだろう?というところが気になります。

僕の記憶だと桃から生まれてきた後は、爺さまと婆さまに可愛がられてすくすくと育ち、ある日急に「お婆ちゃん僕は鬼退治にでかけます!」とか言って旗ときびだんごの製作を依頼するという流れだったと思います。

なんでだ?

鬼が村の人を攫って喰ってたとかそういうことなのでしょうか。

仮にそういうことにしておきましょう。

でもそしたら目的地は村を襲う地域の鬼が退治される筆頭でしょう。

最初から鬼の国へ行く理由にはなり難い。

桃太郎が鬼ヶ島に向けて旅立つにはもっと強い理由が欲しいところです。

桃太郎が鬼ヶ島に向けて出発するためには

やっぱり桃太郎が鬼の国である鬼ヶ島に乗り込むのに納得するシチュエーションは、桃太郎の心に鬼への強い憎しみ・恨みが刻まれたという描写が妥当だと思います。

昔話なんですから、かなりベタでも構いません。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ある日、桃太郎と仲良しの犬シロは一緒に村の近くの山へビワを取りに出かけていました。

食べ盛りの桃太郎とシロです。

「シロ、村の皆に持って帰る前に、ちょっと味見しちゃおうぜ」

食べ始めたらもう止まりません。桃太郎とシロはお腹いっぱいになって寝てしまいました。

・・・

「ワンワン!ワンワン!」

けたたましく吠えるシロの声で桃太郎は目覚めます。もう夕刻のことでした。

「どうしたんだ、シロ…あれは…?村から煙が上がっている?」

桃太郎とシロは山を駆け下りました。

山を下りた桃太郎が目にしたのは変わり果てた村の姿。

家は焼かれ、朝には元気に挨拶した皆が倒れ息絶えています。

「一体何があったんだ、爺ちゃん!婆ちゃん!」

桃太郎は祈りながら我が家へと走ります。

「お願いしますお願いしますお願いしますお願いします」

無我夢中で必死に走りました。

しかしその祈りは天には届きません。

家にあったのはおびただしい血の跡とそれに濡れた一通の手紙。

それはお婆さんから桃太郎へ宛てた手紙でした。

『桃太郎や、急に鬼ヶ島からやってきた鬼たちが村を襲ってきたんじゃ。
直にこの家にもやってくるじゃろう。ワシらはもうだめかもしれんが、お前とシロが山に行ってる時でほんに良かった。
このおばばとおじじがいなくても幸せに暮らすんじゃぞ。
床下にお前のためを思ってこしらえたきびだんごがある。大好物じゃったな。
まさかこれが最後に作ってあげられるきびだんごになるとは思わなかったが、味わって食べるんじゃぞ。
お前がこの家に来てからワシらは最高に幸せじゃった。
桃太郎、桃から生まれてきてくれてほんにありがとう。』

「婆ちゃん…婆ちゃん!」

桃太郎は溢れる涙を止めることができませんでした。

「クゥン…」

シロが桃太郎を慰めます。

桃太郎はお婆さんが残したきびだんごを口にしました。

「うめぇ、うめぇよ…」

大好きなお婆さんのきびだんごで桃太郎は決意しました。

「俺は鬼を絶対に許さない、この村を、爺ちゃんと婆ちゃんを奪った鬼どもに必ず復讐してやる!シロ、お前も来い。俺とお前だけが村の生き残りだ、一緒に来るなら婆ちゃんのきびだんごを1つやる」

「ワォーンッ!」

お婆さんのきびだんごを食べたシロの目にも決意の炎が宿ります。

こうして、桃太郎とシロの鬼ヶ島へ向けて旅立つのでした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

こんくらいのエピソードがあれば最近の子供でも納得して、そりゃ鬼ヶ島行くわってなるんじゃないでしょうか。

このシーンでお爺さんの存在感が薄いのには理由があります。

お爺さんにはお爺さんのエピソードも用意されているんですね。

なんで桃太郎は鬼を倒せるくらい強いんだ?

これもありますよね。

いくら出自が桃とは言えそれが強い理由になるでしょうか。

いいえ、なりません。

しかし村を壊滅状態にした鬼たちに、仲間がいるとは言え敵の本拠地に乗り込み勝利を収めるには、相当な戦いのスキルが必要になってきます。

ただのお爺さんとお婆さんに育てられただけで、そんなスキルが身につくわけはありません。

そう、お爺さんは今は隠居しているものの、伝説の剣豪と呼ばれた人だったのです。

お爺さんはいつかかわいい桃太郎も戦いに巻き込まれることがあるかもしれない。

そう危惧して桃太郎が立てるようになってからというもの、剣術の極意を生活の中で伝授していたのです。

桃太郎は知らず知らず鍛えられていましたが、なんと10歳になる頃にはすでに日本一の剣士となります。

お爺さんは桃太郎によく言っていました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「桃太郎、お前の弱点は優しすぎる心だけじゃ。時には心を鬼にせねばならん時が来るぞ」

「爺ちゃん、だって斬られたらみんな痛いよ」

そんな優しい桃太郎の心も今や復讐鬼です。

お爺さんが昔使っていた刀『村正』を腰に差し、桃太郎は村の門だったその場所から歩き出しました。

妖刀が紫の光を帯びています。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

桃太郎が強い理由はお爺さんにあったんですね。

もちろんお爺さんも村を守ろうと必死に戦ったのですが、最後は村の子供を人質にとられて散ったという設定にしましょう。

めちゃめちゃ桃太郎応援したくなってきた

はてなブログの今週のお題が「鬼」ということで、最初は桃太郎はなに思いつきで鬼をいじめとんねん、ふざけんなやという内容で文を書こうと思って筆をとりました。

なのにどうでしょう。

書いていたらどんどん桃太郎を応援したくなってきました。

鬼ってやっぱ最低だわ。

復讐鬼になった桃太郎はこの後それぞれ鬼に酷い目に遭わされたキジと猿に出会って仲間になっていくわけですね。

明日は124年ぶりの2月2日の節分だそうです。

いやー、今年は大きな声で「鬼は外、福は内」と言えそうな気がします。

ちなみに僕が桃太郎で好きなキャラはシロです。

おじーでした。

今週のお題「鬼」