僕たちは本場の味を求めてインド料理屋へ行く
埼玉にインドカレー屋はたくさんある。たぶん埼玉じゃなくともそうなんでしょう。
インドカレー屋はリーズナブルに本格的なエスニック料理を楽しめるから好きです。
そりゃ本格的ですよね。その国の人が作っているんですから。
厳密に言えばインド料理屋の看板を掲げていても、実際はネパール人だったりもするらしいですが、細かいことは気にしません。
まぁ美味しい異国のカレーが食べられればそれでいいんです。
海外の食文化を気軽に楽しみたい。
そう思って行くのですから、「日本人の舌に合わせて辛さをマイルドにしてあります」とか「クセの強い香辛料は控えました」なんて気遣いはノーサンキュー。
本場の味を楽しみたいんだ俺は。
辛口持って来い辛口。
今までずっとそんな気持ちでいたんですよ。もはやこれは信念といっても良いでしょう。
そう、明太チーズナンを一口食べるまでは。
ダナパニの明太チーズナン事件(入間市)
埼玉県は入間市にダナパニというインド料理屋があります。
事件はそこで起きました。
一般的にインド料理屋でランチ食べると、好きなカレー1種、ナン、サラダ、ドリンクのセットなんかを注文することが多いんですけど。
ここのランチセットはカレー1種、ナン、サラダ。(ドリンクは別)
で、注目すべきはメニューのこの文字。
「ランチセットのプレーンナンは+300円でお好みのナンに変えられます」
なんだと。
なるほど、何のページを見ると色んなナンがあるじゃないですか。
ガーリックナンにゴマナン、ココナッツやドライフルーツまであるのか。
そんなメニュー群からとんでもない文字が目に飛び込んできました。
『明太チーズナン』
かっ、漢字や……
ナンメニューに漢字がまぎれておるぞ。
明太子!日本各地にミュージアムまである明太子!
僕も社員旅行で行きましたとも明太子!
そんな明太子なんて使ったら本場インドの味に日本食要素入ってまうやんけ!
俺はさっき言ったはずだ、本場の味が食べたいんだと。
辛口持って来い辛口!
しかし…明太チーズナンか。明太チーズナン。
なんて美味そうな響きなんだろう!
ナン美味い、チーズ美味い、明太子美味い。
3つ合わせて3倍美味いなんてことになったらどうする俺。
もし、ここで試さず一生後悔することになったら…
えぇい、もう頼んでしまえ!
信念を曲げ、僕は+300円を支払いプレーンナンを明太チーズナンに変更してしまいました。
恐るべし、明太チーズの字面が持つパワー。
抗えぬその魔性。
誰だって目の前に明太チーズをぶら下げられたら素直になってしまうでしょう。そうに違いない。
ダナパニ 明太チーズナン


こちらが問題の明太チーズナン。
どうですかこの破壊的なビジュアルは。
ナンにたっぷりのチーズが挟まれ、チーズをほんのり桃色に彩る明太子。
異常と言っていいほど食欲を刺激してくるではないですか。
まずはナンだけでいってみたのですが、明太チーズナンだけで料理として完成されすぎています。
こりゃ美味い。
甘めの生地にチーズと明太子が奏でるコク。
カレー無しでも十分に食事になる、ピザみたいな扱いにも十分耐えうるナンです。
トマトとナスのカレーをつけて食べてみましたが、これもまた良し。
単独でも美味いですが、さすがナン。カレーと合わさることでまた違った味わいをちゃんと引き出します。
欲を言えばカレーが若干シャバシャバだったので、もっとドロッとしていた方がナンとの絡まりが良かったかなと思います。
十分美味しかったですけど、カレーは明太チーズナンのインパクトに負けていますね。
カレーのみの実力なら以前記事にしたサンガムの方が好きですが、ナンパワーでどっこいですね。
明太チーズナンというインド料理屋の本気
本場のインドカレーが食べたい!そんなポリシーを持つ男は、「日本人の好みに合わせてマイルドにしました」の表記を許さない。
本場の味を求め、威風堂々とメニューの選択をします。
しかし、インド料理屋のコックさんが本気を出してきたら話は別。
明太チーズナン、その表記を見てしまったら潔く負けを認めます。
その本気はくだらない信念を軽く超えてきます。日本とインドの高いレベルでのコラボレーション、日印友好の証的な物が明太子チーズナンなのです。
本場インドではまず間違いなく作られていないであろうその小麦粉とチーズの塊を明太子の風味とともに堪能しましょう。
明太チーズナンは美味い。
おじーでした。
店舗情報
店舗名:ダナパニ
所在地:〒358-0013 埼玉県入間市上藤沢461−5
電話番号:042-965-2400
営業時間
ランチ:11時00分~15時00分
ディナー:17時00分~22時00分