ブチハイエナがかわいい。
JAFの会報誌が届いて、表紙がブチハイエナの子供だったのですが、これがかわいいのなんのって。
岩合光昭さんが撮影した写真とのことでした。
うーん、これはブログでハイエナについて語らねばならぬなと決心した所存です。
世のハイエナへのイメージが悪いんじゃあないでしょうか。
よく手柄を奪われるような場面で「ハイエナのようなやつ」なんて使われ方がします。
いやハイエナに失礼だろと声を大にして言いたい。
一説にはハイエナのイメージを著しく悪くした要因として映画『ライオンキング』での描かれ方が挙げられますが、人道的な観点から見れば、本来かわいいブチハイエナは愛され、ライオンの方がよほど嫌われそうなものです。
俺はブチハイエナの肩を持つぞ。
↓シマハイエナの肩も持つことにしました。
ブチハイエナは努力家
先述した通り、ハイエナは獲物を横取りする悪者としてのイメージが定着してしまっています。
しかし実際は真逆。
ブチハイエナは狩りの名手です。
百獣の王ライオンの狩りの成功率は20%~30%と言われていますが、地上最速のチーターですら40~50%の成功率とされていますが、ブチハイエナはなんと60%超。
イメージとは逆に苦労して仕留めた獲物をライオンにとられてしまうことも多く、ハイエナが食事する音をテープで流したらライオンが現れるなんていう報告もあるそうです。
ライオンに獲物をとられたら、圧倒的に多勢でないかぎりは離れたところで食事が終わるのを見ているしかないかわいいブチハイエナ。切ない。
さて、ブチハイエナの狩りで、特筆するべきはその狩りのスタイル。
長距離ランナーなんです。
普通野生動物の狩りというと瞬発力勝負の一瞬の決着を思い浮かべますが、ハイエナは5kmくらい獲物を走って追いかけるそうです。
相手が疲れてきたら仕留める。
その目標に向かってひたむきに諦めない姿勢はまさに努力家と言っていいでしょう!
今までいい意味で使われていなかった「ハイエナのようなやつ」はコツコツと努力し、結果を出した人に使うようにしてもいいのではないでしょうか。
「父さん!前回のテストは全然ダメだったけど、毎日勉強したから今回は満点だったよ!」
「すごいじゃないか!たかし、まるでお前はハイエナのようなやつだな、父さんは誇らしいぞ。」
なんて家族のやり取りがあったっていい。
そう思います。
ブチハイエナは食品ロスを許さない
昨今食品ロスを減らそうという意識が高まっています。
毎年2月には大量に廃棄される売れ残りの恵方巻でネットが「食べ物がもったいないだろ!」と荒れるのは皆さんご存知の通り。
それもそのはず、国の調査で私たちは本来食べられる食品を1年に約48kg捨てているというデータが出ています。
その点ブチハイエナは偉い。
食品ロスは本来食べられる食品を捨てることですが、ハイエナはその強靭な顎と胃袋で肉、内臓はもちろん、皮、そして本来食べることができない骨までもかみ砕いて消化しちゃう。
食品ロスゼロどころか食品ロスマイナスです。
環境に優しいエコロジスト、それがハイエナと言えましょう。
今までいい意味で使われていなかった「ハイエナのようなやつ」は環境問題に高い意識を持ち、普段の生活から地球に優しい行動をしている人に使うようにしてもいいのではないでしょうか。
「父さん、僕は人間が招いてしまった地球温暖化を強く憂いているんだ。少し値は張るけど水素自動車を買うことにするよ」
「たかし、まったくお前はハイエナのようなやつだな、父さんも地球も喜んでいるぞ!」
こんな家族のやり取りがあったっていい。
そう思います。
ブチハイエナは女性が強い
ライオンの群れがプライドと呼ばれ、超男性社会なのはご存知の通り。
メスのライオンが一生懸命に狩りをし、獲物をゲットしたと思いきや、のそのそとたてがみを揺らしたオスがやってきてメスや子供を一喝。
「どけ!」
大人のオスが獲物を独占します。腹いっぱいになれば次にメスのライオンや子供たちが食事にありつけるのですが、このオス空気を読まずに肉を全部食うこともあります。
そうすると子供たちは飢えて、死んでしまうこともあるんですね。
凄まじくオス優位ですね。
逆にハイエナはメスが優位。
なのでリーダーはメス。群れの序列に関してもその次にくるのはその他のメス。
その下のカーストに位置するのがオスたち。
集団で狩りをしてももちろん最初に食事にありつくのは
- リーダー
- リーダーの子供
- その他メス
- その子供
- オス
といった順番になります。
メスの方が体が大きいという理由もありますが、これはライオンと比べてだいぶ女性社会ですよね。
今までいい意味で使われていなかった「ハイエナのようなやつ」はジェンダー問題について関心が高い、フェミニストに対して使うようにしてもいいのではないでしょうか。
「父さん、僕鉄道会社で偉くなったから女性専用車両だけの電車を作ったよ」
「たかし、人権問題は燃えやすいからな。父さんコメントしづらいよ。この会話も誰が聞いているかわからないからな。ただお前はハイエナみたいなやつだなとだけ言っておくよ」
こんな家族のやり取りがあったっていい。
そう思います。
ブチハイエナは正々堂々
ライオンの子殺しも有名な話です。
ライオンの群れは1頭のオスと多頭のメス、そして子供たちで構成されますが、別のオスライオンが勝負に勝ち、その群れを乗っ取ることがあります。
そうなってしまうと子供のライオンたちはかわいそうですが新しいオスに殺されてしまうんですね。
これは子供たちがいるとメスが発情期に入らず、自分の子孫を残せないためということです。
対するブチハイエナも殺し合いをします。
生まれたばかりの赤ちゃん同士で。
生まれた瞬間から目が開いていて、犬歯も生えているため、その赤ちゃん同士の殺し合いで生後1ヶ月にして25%の子供が死んでいくとのことです。
なんという戦闘民族でしょうか。
でも正々堂々と戦った結果、強者が生き残っていくというわけなのですね。
ちなみに成獣同士でも殺り合うようです。
今までいい意味で使われていなかった「ハイエナのようなやつ」は正々堂々と戦う、竹を割ったような性格の人に対して使うようにしてもいいのではないでしょうか。
「父さん、僕最近は低学年の子としか喧嘩しなくなったから、連戦連勝なんだ!」
「たかし!弱い者いじめは良くないぞ!お前はハイエナのような人間になりなさい。」
こんな家族のやり取りがあったっていい。
そう思います。
魅力がいっぱいブチハイエナ
ブチハイエナの魅力について色々と書きました。
比較対象としてライオンについても書いていますが、もちろんライオンが嫌いなわけではありません。
野生で一生懸命に生きる動物たちに善いも悪いもありません。
そういう性質なんだ、面白いなというだけ。
ただ、ブチハイエナはかわいい。
今までなぜか嫌われ者だったけど、性質だって人間の好みにも合っているでしょということを謳いたい。
いい物を拾うとすぐスタッフに自慢してきます。今日は大きい木の枝 pic.twitter.com/r68YTfkiTe
— 秋吉台サファリランド (@aki_safariland) December 22, 2017
例えばこれ、スタッフに拾ったものを自慢するブチハイエナ。
無邪気でかわいい。
「ハイエナ かわいい」で検索するとたくさん出てくる癒し画像の数々。
僕はブチハイエナの社会的な地位を上げたい。
たとえブチハイエナがそれを望んでなかろうと。
僕が「ハイエナってかわいいよねー」と言えば「わかるー。まじかわいー♡」と返ってくる社会であって欲しい。
そんな社会を目指して、今日も僕はハイエナのように記事を投稿します。
おじーでした。