ビールの値下げと第三のビールの値上げ
酒税の改定によって、今日からビールが1本あたり7円の値下げになり、新ジャンル、いわゆる第三のビールが1本あたり10円の値上げになりましたね。
けっこう賛否両論ありますけど、この動きはまだまだ続いていきそうです。
2017年の法改正ですでにビール、発泡酒、第三のビールの税率を1本化する動きについては決まっていて報じられていました。
今回の値下げと値上げはその最初の一歩であり、段階的にこの動きは進められていきます。
2023年には第三のビールというジャンルは発泡酒に統合されて消滅。
2026年には税率の一本化完了の予定みたいですね。
普段から第三のビールである金麦を愛飲している僕個人としては、この動きは歓迎すべきことであると思っています。
税金とメーカーのいたちごっこ
そもそも第三のビールの成り立ちって酒税法との戦いからじゃないですか。
メーカー「ビールの税金高いから、税金が安いビールによく似た発泡酒を売ろう!」
↓
国「あかん、税金が安い発泡酒が売れるせいでが税収さがる、増税したろ!」
↓
メーカー「発泡酒の税金も上げられてもうた。せや!ビールによく似たビールじゃない酒作ったろ!」
↓
第三のビール「オギャア。」
↓
国「あかん、税金が安い新ジャンルが売れるせいで…(以下略」
みたいなね。
安いものが売れるのは至極当たり前のことなので、どんどん市民権を獲得していき今や主力商品と成長していますね。
ただこれって抜け道探しみたいで、本来あるべき姿ではないですよね。
もちろんメーカーが安い物を消費者に提供しようとしてのことですから、ありがたい話ではあるのですが。
メーカーの努力の方向性
いまや第三のビールってかなり美味しいじゃないですか。
できるだけ本物のビールに近い味や香りを追及して、メーカーが研究開発に金をかけて、他社と競いあって、まさに企業努力の結晶のような商品です。
でもその努力が税金を安くあげる為の商品に向けられたものと考えると凄くもったいないと思います。
その努力を本物のビールに向けていたらどれだけ美味いビールが生まれていたのだろうかと思いませんか。
発売されたのは結構前ですが、プレミアムモルツの香るエールなんてめちゃめちゃ美味いですし、今まさにクラフトビールが流行っていて、どんどん多種多様なビールが楽しまれるようになってきています。
もっと早くビールに注力していれば色々と個性豊かなビールを楽しむ時代の動きが加速したかもしれません。
第三のビールの感動は「すげぇ、ほぼビールじゃん!」というところにあり、結局本物のビールを超えることは出来ないんですよね。
そしたらそんな税金なんて足かせを外して(実際には新たな足かせ追加なのかもしれないけど)、メーカーにはより美味いものの追及をしてもらった方が、最終的にはみんなハッピーです。
今後国とビール業界に期待すること
第三のビールを買っている身としてデカイことは言えませんが、ビール系の税率一本化はこのまま進めてもらって、イタチごっこは卒業してもらいたい。
そして本物のビールに金と人を集中させ、どんどん日本のビールのクオリティをあげていただきたいと思います。
サラリーマンやっている限り乾杯ビールも重要。もちろんアサヒスーパードライでOK。
そして別枠として楽しいビールがいっぱい欲しい。一言でビールといってもいろんな種類があるので、好みや気分で今日はこれ、今日はこれと選ぶのが普通になっていくような時代に。
なんでもかんでも若者の〇〇離れとか言われますけど、酒もそうですね。
でも日本酒みたいに消費量が下がっても、大吟醸!純米酒!みたいに付加価値を強めていって利益を昔より上げている現状もありますし、ビールも銘柄のブランド力を上げていくことでまだまだ新たな盛り上がりを見せてくれないかなーと期待する僕です。
今回の税率の改正でそんなことを思いました。よかいちの水割りを飲みながら執筆中のおじーでした。