食べることに対して罪悪感という言葉を使う違和感
衣・食・住。生活を成り立たせる3大要素です。
3大要素なんて言うくらいですから、服の質、飯の質、家の質が生活の質を左右する最重要項目と言って過言ではないでしょう。
人が大変だ大変だと言いながらも仕事をしてお金を稼ぐのは、これらを充実させるためでもあります。その中でも特に普段の生活で一番意識が向くのは「食」についてだという人も多いのではないでしょうか。
美味しいものをいっぱい食べたい。みんながそう思って人類は進化してきたし、文化や技術も発展してきたと思います。
でも最近よく「これなら罪悪感なく食べられます」という表現を目にするんですよね。
僕はこの表現があまり好きではない。とっても気になる。
以前に『罪なきからあげ』という商品に対し、勝手に唐揚げに罪があることにするなよみたいな投稿をしましたが、割と本気で言ってました。
なにその罪悪感って。俺感じたことないんだけど。といった具合で実にモヤッとします。
食品を食べて何が悪い
「罪悪感なく食べられる」この表現の嫌なところは言うまでもなく後ろ向きなことですよ。
これは基本的には健康食品やダイエット食品に使われることが多いワードです。前提としてヘルシーフードはなにも悪くないんですよ。美味しくて体に良いものを企業努力で作りました!これは素晴らしい試みです。
問題はこの表現方法。
「この商品はラーメンの麺が、なんとこんにゃくで出来ているので超低カロリー!これなら罪悪感なく食べられます!」みたいな感じですね。
は?って思わないんですか皆さん。まるで通常のラーメンを食べることが罪であるがごとく言われているんですよ。こんなネガティブキャンペーンがあっていいんですか。最後の一言は完全に不要だと思うんです。
じゃあなんですか。ラーメン王石神は大罪人ですか?極刑ですか?
体に良くないってことを強めに言いたいのだと思いますが、ラーメンは健康な人にとって別に毒ではありません。仮に毒ならばラーメンの致死量を国が定めているはずです。
危ないものを摂取するのであればそれは悪いことかもしれせんが、せいぜい食品ですからね。もしも「僕はタイヤが大好物で毎日食後のデザートに少しずつ食べているんですよ」という人がいるのであれば自分の体に対する罪悪感を感じた方がいいですし、怖いです。
しかし、なんで普通に飯を食うだけで罪悪感を感じねばいかんのですか。そんなもん一度も感じたことないわって思うんです。
この表現はラーメンを高カロリーで脂質・糖質過多の有罪に値する食べ物だと貶めることで、こんにゃく麺の価値を相対的に高めようとしているんですよ。
人間に置き換えれば、同僚の悪口を言いふらして上司の評価を相対的に得ようとするようなもんです。そんなの嫌じゃないですか。
「罪悪感なく食べられる」なんてネガティブなものではなく、もっと強みを正々堂々とアピールするような前向きな言い方は出来ないものですか。
「この麺は超低カロリー。しかも超美味しい。だから超おすすめ!」って超が3つも書けましたよ。超超超いい感じでゴマキもにっこりです。
たとえ総合的な食味がオリジナルに勝てなかったとしても、ライバルを悪者にするのではなく、もっと良い売り方があるはずです。独自性を打ち出すとか。
「こんにゃく独特のチュルチュル食感がクセになる!」とか、「食物繊維が豊富に含まれるから腸すっきり!」みたいな感じで。腸腸腸いい感じ。
ラーメンにない罪を着せた「これなら罪悪感ないです!」よりもよほど好感が持てるじゃないですか。
食べられることに感謝したい
ここまで書いてきて、何がひっかかるのかと自分を見つめ直してみましたが、自分の食生活がピザ、ハンバーガー、生クリームをふんだんに使用したスイーツ、そして肉肉肉。好きな食べ物はカロリーですを地で行く調子で生きているものだから、自分の生活を否定されているようで全くもって気に食わないというのが1つ。
あとは先に書いたように、他の物を貶めるような書き方だなと思うのが1つ。
しかも実にカジュアルにサラッと言えちゃうじゃないですか。これなら罪悪感ないですねって。
そもそも食べることは罪なんかでは無く、いままではむしろ感謝するべきこと、幸せなことだったはずです。
あぁ、美味しかった。お腹いっぱい。こんなに幸せなこと他にありますか。
いただきます。ごちそうさまでした。そうやって食べ物に感謝しながら生きてきたはずのに、食べるのに困らないくらい豊かになったら今度は食べることは罪悪だと断ずるようになっている。
それもちょっと違うんじゃないかなっていう違和感を覚えるんでしょうね。
食べることは罪悪ではない、むしろ幸福じゃないか。湖池屋に告ぐ。
この精神性は幼少期に好んで観ていた『忍たま乱太郎』の食堂のおばちゃんから刷り込まれている気がします。お残しは許しまへんでぇ!でおなじみの。
土井先生は練り物が嫌いなところもかわいいけど、食堂のおばちゃんには勝てんのだ。
おじーでした。